娘よ、君を愛している

妊活のこととか、娘のこととか、時間がある時に気が向いたら書きます。

生理が来ちゃったときの話

人工授精後、先生から紙を渡された。

そこには「○月○日までに生理が来なければ妊娠。妊娠の場合は×月×日以降に受診。生理が来てしまった場合は生理開始後○日後に受診。」と書かれていた。
「○月○日までに生理が来なければ妊娠」。
この日まで、女性はドキドキしながら過ごすのである。

 

一度目の人工授精で上手くいくわけないとわかっていつつも、妊娠を祈らずにはいられなかった。
頼むから、生理よ、来ないでくれ~~!!

しかし、そんな願いも虚しく、いつも通り下腹部が痛み出し「そろそろ生理来るで」と知らせてくる。
いやでももしかしたらこれはOPP(お腹ピーピー)の痛みかもしれない…なんて、その日が来るまで自分を誤魔化し続けた。

それからというもの、トイレに行くのが恐怖だった。
下着を下したときに血がついていたら。
生理が来てしまったら。
人工授精でも妊娠する確率は低いってわかっているはずなのに、それでも怖くて堪らなかった。

 

そしてその日はやって来る。
何かがどろっと下着に着いた感触がして、急いでトイレに駆け込んだ。
見てみると、生理の訪れを告げる茶色の分泌液が下着に付着していた。
いやっ違う!これは生理じゃない!ちょっとおりものが茶色いだけ!!
と自分に言い聞かせても、その数時間後には真っ赤な鮮血がべったりとナプキンに着いているのだ。
その時の絶望感ったらない。


一度目はまだマシだった。
「そうだよね、そんなすぐ上手くいくわけないよね~」と思うことができたから。
でも、二回、三回と人工授精の回数を重ねるにつれ、絶望感はどんどん増す。
冗談抜きで、毎回生理が来るたび発狂しそうだった。
自分のお腹を殴ったこともあった。(絶対やってはいけません)
なんていうか、もう行き場がなかった。

誰が悪いわけじゃない。そんなのわかってる。重々承知している。
だけど、なんで私こんな思いしなきゃならないの?
毎回毎回痛い思いして人工授精に臨んで、病院にだって何度も通って。
だけど上手くいかなくて。その度泣いて。
段々自分の心が荒んでいくのがわかった。
怒りにも似た悲しみの感情の矛先は、嫌でも旦那に向いて行った。
旦那が悪いわけではない。
でも、だけど、そうだとしても、割に合わない。
もし旦那のオタマジャクシが正常だったら、こんな苦しい思いをせずに妊娠できただろう。
どうして何の問題もない私がこんなに苦しまなくちゃならないんだ!

もちろん、そんな事本人に言えるはずもないので心の中にしまっておいたけど。きっと旦那も責任を感じてるに違いないし、彼だってツライはず。
それでも、生理が来てしまった日はめちゃくちゃ不機嫌になってしまう。
今回もダメだったよ、と旦那に言うけど、彼はそれに対して「そっか」としか言わなかった。
それがまたムカついて、私の機嫌は悪くなるばかり。
今思えば、確かに「そっか」以外かける言葉はないよなぁと理解できる。
「ごめん」と謝るのもなんか違うし。

それでもあの頃の私は、もしかしたら旦那からの「ごめん」を待っていたのかもしれない。
妊娠できない現状を誰かのせいにしたかったから。じゃないととても平常心で居られなかったから。

 

そしてそんな私に、更なる絶望が降りかかってきた。
父が、末期癌であることが発覚したのである。

 


そろそろ夕飯の支度するので今回はここまで。